澤井医師の学会放浪記

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「澤井医師の学会放浪記2010」

精度の高い屈折矯正手術の発展を目指して、世界各地で行われている学会に積極的に発表をしています。常に最新の知識・ノウハウを持って診療と治療を心がけています。

メディカルチーフディレクター 眼科専門医 神戸クリニック広尾院長 澤井 循暉

2010年ASCRS 2010年4月10日~14日のアメリカ・ボストンにて開催

リフラクティブ関西研究会(旧レーシック関西研究会)は、10年前より毎年関西地区で開催されている研究会です。今年はウェスティン都ホテル京都で開催され、今回初めて参加してきました。

これまでのリフラクティブ関西研究会は、半日会議でしたが、今年からトピックスが最新の老視治療や白内障手術まで及んだため丸1日で濃厚なプログラムになりました。

手術後、非常に高い満足度をもたらすレーシックですが、「治療に苦慮した症例」というテーマで、プログラムの最後に討論会があり、最新の技術革新だけではなく治療方法について眼科専門医による意見交換が行われ、自身にとっても大変有意義な研究会となりました。

ウェスティン都ホテル京都

ウェスティン都ホテル京都

京都・東山の高台に立つウェスティン都ホテルは、中心部隣接でありながら、四季折々の美しい自然に恵まれて京都を一望する絶好の景観が魅力のホテルです。

学会印象記 -次世代の白内障手術

本学会で報告された最新の治療について、ほんの一部をご紹介します。

 今年の4月ボストンのASCRSでもレポートしました「フェムトセカンドレーザー(FS)を用いた白内障手術(LenSx)」が本研究会でも報告されていました。LASIKのフラップ作成で知られているフェムトセカンドレーザー(FS)を白内障手術の手技の一部に応用したものです。しかし、そんな話題彷彿なマシーンを早くもこの7月にAlconという眼科最大手メーカーによって買収されています。

箸を使う日本人は手先が器用で、実際はどうかわかりませんがフェムトセカンドレーザー(FS)と医師の手による精度の比較検討が行われました。http://www.lensxlasers.com/vision_power.aspx

また、神戸クリニック全院に導入しているイントラレース(AMO社)でも、同様に白内障手術への応用技術が開発中とのことで、なかなか目が離せないものです。

学会のお楽しみ情報交換会

京都府立医大眼科教授 木下茂先生

京都府立医大眼科教授 木下茂先生

リフラクティブ関西研究会の代表世話人である木下教授に再会し お話する時間が持てました。大学院生の頃、角膜、眼表面および羊膜移植と研究分野が共通していたので、以前より基礎研究面について多くのアドバイスをいただきました。 木下教授は、角膜の治療のみならず基礎研究から新しい治療法の開発と 世界の眼科領域の研究をリードしています。研究以外に教育にも熱心で多くの弟子たちが育って各地で活躍しています。

京都府立医大眼科教授 木下茂先生

SBC新宿近視クリニック 安田佳守臣先生

アイレーシックを行っている施設のひとつであるSBC新宿近視クリニックの安田佳守臣副院長にも再会しました。手術の達人で、いろいろとテクニックをお持ちで、いろいろ教わっていました。病院は違っても、患者様の眼を治したい!という気持ちは一緒です。同じ屈折矯正手術に携わる医師として、目の治療を通して社会貢献していこうと熱く熱く語り合ってきました。

2010年ASCRS 2010年4月10日~14日のアメリカ・ボストンにて開催

ギリシャの南でエーゲ海に浮かぶ最大の島(クレタ島)でAegean Cornea2010学会が開催されました。 本学会は今年で10回目、さらに2010年はレーシックが始まって20年のため、20/10(※)とかけたアニバーサリー祭の年でした。屈折矯正手術の歴史を振り返ることと、レーシックをこれまで導いたパリカリス博士(Dr. Ioannis Pallikaris、現クレタ大学長)に再会することが目的でした。

学会で講演されたのはパリカリス博士以外に、バインダー先生(Perry S.Binder)、マクドナルド先生(Marguerite McDonald)シャルホーン先生(Steve Schallhorn)など権威ある先生でした。

※20/10は、日本の視力2.0に相当する欧米で用いられている視力表記です。分数で表すため20/20は日本での視力1.0、20/40だと視力0.5になります。

クレタ島

クレタ島はヨーロッパにおける最初の文明のひとつであるミノア文明が栄えたところでもあり、紀元前3000年(どんなアンチエイジングしても無理…)にはすでにここに文明があったようです。

クレタ島の青い空と海。日が沈むと、ノスタルジックな風景が広がります。

宿泊ホテルCreta Blueの人たちと。

LASIKの歴史(手術方法が確立されるまで)

日本では2000年に厚生労働省によりLASIKの承認がおり、そこから普及が始まりましたが、そのさらに10年も前から実はレーシックは行われていました。

1987年にDr. Theo Seilerが最初に行ったPRK(神戸クリニックでも実施)は、手術後の成績は非常に良い手術方法でした。しかし最初にいくつか問題点を抱えていたため、ギリシャのパリカリス博士はさらに驚くほど視力回復が早く、手術後も透明な角膜を保つことができる手術方法を開発していました。

1990年、初めて人の眼でこの手術が行われ、 1995年に世界で最も認可が厳しいといわれるアメリカの FDA(日本の厚生労働省にあたる)がレーシックを許可しました。そして現在では多くの眼科医がこの手術を屈折矯正の第一選択とするまでに至ったのです。 日本においても日本眼科学会でレーシックについてガイドラインが定められ、安全な手術方法として確立されています。

LASIKの考案者
パリカリス博士

学会印象記

本学会で報告された最新の治療について、ほんの一部をご紹介します。

■縫合しない表層角膜移植(Sutureless FALK)

 イントラレース(神戸クリニック全院使用)の利点は、他のフェムトセカンドレーザーと比較しても、正確な厚みで角膜片が作成できるという点にあります。 この技術を表層角膜移植に応用した報告がありました。通常の角膜移植は移植片に糸を用いてレシピエントの角膜に縫合しますが、イントラレースを用いると縫合しなくとも移植成績は安定するという報告をマイアミ大のSonia H.Yoo医師が発表しました。

■新しい眼内レンズの素材(光反応性)

 白内障で使用する眼内レンズに、ある種のポリマー重合体を配合させることで、光の反応によって変化して屈折を2Dくらい調節が可能(ドイツデーター)という非常に興味深い眼内レンズの報告がありました。

番外編1 学会後、イギリスに渡り、スコットランド南西部のグラスゴーへ

温泉につかりながらチェスを楽しむ人々

写真左) グラスゴー大学は、英語圏最古の大学の一つでいわゆる名門校です。写真(左)のように、宮崎駿のアニメに登場しそうな素敵な建築物が立ち並び、特に中庭のつくりは素晴らしいと思いました。

グラスゴー大学の出身者としては、国富論のアダムスミスや電気を発明した父ジェームスワットがいます。

写真右) この木なんの木?気になる木。大学の構内で見つけたサボテン(?) この木がなんの木か分かる方、ぜひ教えてください!

番外編2 全英オープン

7月15日から18日までの4日間に渡り、スコットランド東部にあるセントアンドリュースのオールドコースで開催された、全英オープンに行ってきました。 一部ですが本場を観戦することができました。

左側の写真が、名門ホールです。素晴らしい…選手の写真は撮影できなかったので、私のゴルフスィングでお許しを…(失礼)詳細を知りたい方は診察時でも声をかけて下さいね!

2010年ASCRS 2010年4月10日~14日のアメリカ・ボストンにて開催

毎年おなじみの世界最大の白内障・屈折手術会議に参加してきました。世界中から7300もの眼科医が集まりました。今年のASCRSはアメリカ合衆国北東部にあるマサチューセッツ州の州都、ボストンで開催されました。

ブダペストを象徴する場所・くさり橋
発表演題: Epithelial Ingrowth Rates After Retreated LASIK

今回の学会では、 レーシック(LASIK)再手術後の合併症の一つである上皮迷入Epithelial Ingrowth(イングロース)について、マイクロケラトームとイントラレース(IntraLase)による合併症の発生率を比較検討した結果を報告しました。

神戸クリニックは3年前までマイクロケラトームを用いたレーシック(LASIK)を行っていました。しかし、現在ではイントラレース(IntraLase)を用いたアイレーシック(iLASIK)を中心に屈折矯正を行っています。その理由は、マイクロケラトームと比べ、手術中の合併症および術後成績がアイレーシック(iLASIK)のほうが安全で正確だからです。当院では、角膜フラップを作成するレーシック(LASIK)において、患者様にとって最善な手術方法を選択しています。

参考文献
1. Dr. Price  2010 Eye World
2. Dr. Caster 2010 JCRS

写真:マイクロケラトーム術後の Epithelial Ingrowth(イングロース)マイクロケラトームによるこの合併症の比率は14.3%と、IntraLase(イントラレース)よりかなり高率で発生します。

学会印象記

温泉につかりながらチェスを楽しむ人々

写真1:Steve Schallhorn(スティーブ・シャルホーン)先生との写真

Steve Schallhorn(スティーブ・シャルホーン)先生と夕食を。

スティーブ・シャルホーン先生(写真1・右)は、今日の屈折矯正分野で最も権威ある医師で、人格もすばらしく大大大尊敬しています。元々海軍パイロットのインストラクター(本物のトップガン)でもあります。シャルホーン先生がまとめたイントラレース(IntraLase)とカスタムビュー(CustomVue)を組み合わせた手術=アイレーシック(iLASIK)の見え方の質・安全性に関する論文をもとに、NASAがレーシック(LASIK)の安全性について調査と検証が行われた。その結果アイレーシック(iLASIK)の宇宙飛行士への適応が承認されました(ちなみにマイクロケラトームではダメです)。

前回は学会前夜に夕食を一緒にしましたが、今回は2回目です。3時間も食事しながら最新のレーシック(LASIK)の技術面及び基礎研究について有意義な話を交わしました。今後、神戸クリニックの医療に関してシャルホーン先生にもご協力を頂けることで共に仕事をすることになっています。

今回の学会は、患者様にとっての最善の治療ができるよう国内・国外問わず様々な医師と交流して知識・ノウハウを吸収するのに大変良い機会となりました。

ドナウ川

写真2:LenSxの展示ブース

フェムトセカンドレーザーを使った白内障手術
(LenSxの展示ブース)

フェムトセカンドレーザーは、角膜フラップを作るイントラレース(IntraLase)で使用されている種類のレーザーです。今回のASCRSでは、レーシック(LASIK)のみならず白内障の分野でも応用できる機種の紹介があり、話題となっていました。

コンピューターで制御されたフェムトセカンドレーザーは、白内障手術の一部を医師の手技の代わりにできるため、より安全で正確な手術が可能になります。デモで実際機械を操作してみましたが…未来を感じました。

以前より、フェムトセカンドレーザーを使用した治療方法について興味(ICFLO)があり、屈折矯正手術だけではなく、角膜移植、白内障・老眼・緑内障などに対する最新技術の発展が本当に現実になってきたな~とめちゃめちゃおもしろかったです。

本当のサプライズ -ポール・マッカートニーさん-

学会の合間に行った、Beacon Hillの安いピザ屋で、なんと!

ビートルズのポール・マッカートニーさんに会いました。

アジア人からしたら金髪の方はみんな似てみえちゃうので、後輩に「そうだよね???」と確認したら、逆にポールさんに「そうだよ!」とウィンクされてしまいました(笑)。偶然とはいえ、右に肩を並べてピザを頬張ったので学会発表以上に緊張!!とてもいい人で、店内の子供たちにマジックを披露していました。帰り際に、ここのピザおいしいよね、と話かけてくれてた…手がお互いギトギトだから握手もサインも、写真も撮らずに行かせてしまったのが、心残りです。。。

ちなみにポール・マッカートニーさんに会ったピザ屋は配達が中心で、ここのお店です。 http://www.theuppercrustpizzeria.com/
もしかしたら、ポールさんに会えるかもよ!?

ボストンの大学群

学術都市として名高いボストンには著名な大学が存在します。時間を見つけて地下鉄のT(赤)で行ってみました。

温泉につかりながらチェスを楽しむ人々

写真3:ハーバード大学の校門

Harvard University ハーバード大学

言わずと知れた米国で最も古い大学です。幅広い分野で世界をリード(学費もとてもとても高い)。オバマ大統領の出身大学でもありますね。

ハーバード大学の正面玄関にこのロゴ(写真3)。
クリムソン色の盾には、ハーバード大学のモットーのVE-RI-TASの文字が書かれています。英和辞書にも出てこないこの言葉。意味をご存じでしょうか?実はこれ、ラテン語で「真理」の意味。真理を追究するためにできた学校、なんかカッコイイですね!

Massachusetts Institute of Technology マサチューセッツ工科大学

南北戦争後に起きた、ボストンの急速な工業化による産業構造の変化に対応する為に設立された大学です。

これまで、ハーバード大と同様に多数のノーベル賞受賞者を輩出した、世界の頂点に立つ理工系大学・研究機関として超有名な大学です(留学したい…)。

自然哲学者のウィリアム・バートン・ロジャースによって1861年に設立され、その名が建築物の随所に刻まれています。校舎の一つである「グレートドーム」はシンボルであり歴史を感じさせる外観です(写真4と5)。

マサチューセッツ工科大学の博物館にも行ってみました。
大学での研究技術が展示されていました。中でも人工知能ロボットは有名で、 写真6は世界で最初に発明された社交的なロボットです。言語がわかって、常識があって、学んで行動できる夢のようなロボット…。アメリカの科学技術の始まりから、最先端(ナノテクノロジー、宇宙スーツなど)までをここの博物館で見ることができます。技術と芸術の融合の感じですんごいよかったです。

ESCRS Winter /2010年2月12日~14日 ハンガリー・ブダペスト

毎年おなじみの冬版ヨーロッパ白内障屈折矯正手術学会ESCRSです。今年で14回目の開催となり、ハンガリーの首都ブダペストで開催されました。

発表演題: Inappropriate Flaps Creation during Lasik

イントラレースは、マイクロケラトームよりはるかに手技が安全で、角膜フラップの厚みのばらつきや、術中の重篤な合併症も少ないとされています。

しかしながら、稀にフラップ作成が不完全のため、手術を中断する症例もあります。その場合の、考えられる原因と術中の正しい判断の重要性について当院の症例報告をしました。

ESCRSのトピックとして -老眼治療について-

レーシック(LASIK)の父と言われるパリカリス博士よる老眼治療、Flexivueの発表がありました。 日本でも行われているKAMRA(老眼治療)の透明版で、同じく視力が出るのは1-3ヶ月と遅いようです。発表では70%の方が治療後に老眼鏡を使用しなくなった、と報告がありました。

そのほかフェムトセカンドレーザーを用いた老眼治療(Intracor)も興味深かった。 この方法は角膜の表面を切ることなく、空間的に角膜実質を弛緩させることで角膜中心が前方に突出するため近視化した状態を片眼もしくは両眼にする。ドイツ、ベルギー、エジプトから報告があったが、いずれにしてもまだ確定した手技ではないので今後の改善が期待されるところです。

ブダペストの写真

温泉につかりながらチェスを楽しむ人々

温泉につかりながらチェスを楽しむ人々

ブダペストは昔から温泉が有名だそうです。ブダペストの温泉は、池かといわんばかりの大きな温泉で、湯温は、34度と37-38度と 微妙に別れていました。内湯もあるが、みんな水着をつけて露天やサウナを楽しんでいます。 勝手がわからないので、きょろきょろして明らかに挙動不審の東洋人でしたが、気にせず売店で朝からビール買って飲んだり、 ワイン(ビールより全然安い)を飲んだりと極楽なときを過ごしました。

すると・・・老人が手提げ袋からチェスのコマを出して、温泉につかりながらチェスを始めた!日本にはない風習です。 うれしくて写真とってもいいですか~とパシャリ。

ドナウ川

ドナウ川

ブダペストは、街の中央を流れるドナウ川によって、王宮のある「ブダ地区」と都市機能が集中している「ペスト地区」に分けられています。

ブダの王宮の丘には中央にドームを持つ王宮(現国立美術館)、マーチャーシュ教会、漁夫の砦が、一方、写真の対岸、ペスト側にはドナウ川のさざ波を前に国会議事堂、ヴィガドー劇場、科学アカデミーなどが建っており、美しさを際立たせています。

ブダペストを象徴する場所・くさり橋

ブダペストを象徴する場所・くさり橋

「ブダ地区」と「ペスト地区」、このふたつのエリアを結ぶのが、写真の「くさり橋」です。美しい「くさり橋」ですが、激動する歴史の舞台となりながら2度、破壊されているのだそうです。

さらに1956年のハンガリー動乱の際には、ソ連の戦車がこの橋を渡った歴史もあります。夕暮れ時のイルミネーションの美しさは、“ドナウの真珠”と讃えられ、この都市を象徴するロケーションになっています。

英雄広場

英雄広場

広大な市民公園、西洋・現代美術館に囲まれて位置するブダペストの「英雄広場」。この広場は、ハンガリー人が現在の地に定住した896年の1000年記念として1896年に作られた広場だそうです。

広場中央の建国記念碑(柱)は約35mの高さがあり、この記念碑を囲み、ハンガリーの初代国王、独立戦争・革命の英雄など、14人の像が飾られています。たくさんの像に囲まれ、圧巻です!

今回の旅で一番オススメ!王宮地下迷宮(ラビリンス)

今回の旅で一番オススメ!王宮地下迷宮(ラビリンス)

迷宮…ラビリンス…この言葉に、一体何が起こるんだろうとわくわくしちゃいます。その名の通り、王宮の地下に位置していて、第二次世界大戦には地下住居、軍の秘密施設や監獄としても使用されたという噂もある、秘密の地下道です。

現在は一部が公開され迷路として観光施設化されています。写真はラビリンス内の一部ですが、手の込んだ演出が加えられていて、受付で渡される地図を手に各人で歩き出口を探すシステム…超本格的な迷宮です。

写真の通り、すごく雰囲気のあるラビリンスでした。迷宮内を探検していたら、どこからともなくすっぱ~い(発酵したような)匂いがしてきて…何とそこにこんこんと湧き出るワインの泉が…!!

本当はたくさん写真を掲載したいところですが、ラビリンス内のネタあかしになるので、これ以上の写真は割愛します。 詳しく聞きたい方は、診察にて。。。

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